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真田四代と信繁

 今年の大河ドラマ真田丸』は、毎週腰を据えてじっくりと見ている唯一のドラマで、その時代考証を担当している丸島和洋氏がしたためたのが、丸島和洋(2015)『真田四代と信繁』平凡社新書である。新書とはいいつつも、情報量は豊富で、いろいろな学説も織り交ぜながら、真田家について描写されている。

 

真田四代と信繁 (平凡社新書)

真田四代と信繁 (平凡社新書)

 

 

真田幸村って誰ですか?

 真田幸村といえば、戦国武将のなかでも屈指の人気と知名度をほこる人物で、各種戦国ゲームでも真っ赤な鎧をまとって登場する有名武将です。しかしながら、幸村という名前は後世に勝手につけられた名前で、本人がそう名乗ったことも、同時代の人たちがそのように読んだこともないそうです。『真田丸』でも、「信繁」「源次郎」などと呼ばれているので、大河ドラマ見ている人にはおなじみですね。

 

真田昌幸がかっこいい!

 真田昌幸は、真田信之、信繁親子の父親で、ドラマでは草刈正雄が演じています。なかなかに強かな人物で、上杉についたり、徳川についたり、豊臣についたりとさまざまな大名と関係を切り結んで、うまく戦国の世をわたりあるいています。したたかな知将という印象もありつつ、戰場でも勇猛に戦う様も想像できて、非常に魅力ある人物でした。なぜ、弟の信繁が源次郎で、兄の信之が源三郎と名付けたのかについても説明されています。ドラマではこの辺、伊達政宗がめんどくさい絡み酒をしていました。

 

真田信之はかなり賢いみたい

 真田信之は、第二次上田合戦で父昌幸と弟信繁と対立してしまうようです。その後は、真田家を引き継ぎ、のちのちの世にまで続く礎を築く優れた人物だったようですが、とりあえずそのあたりのことはまだドラマにはなってしまうのでこのへんで。活躍はドラマで!

 

ドラマはドラマ、研究は研究で

 やはり、ドラマの時代考証を担っている方が書かれた本だけに、脚本とかなり連なっている部分もあります。豊臣秀次切腹や、彼の娘の処遇についてなど通説とは異なる部分も取り入れつつ脚本が作られていることがわかります。しかしながら、脚本はあくまで三谷幸喜なので、もちろんあのままの通りにこの本が書かれているわけではありません。その辺り、ドラマとしての面白さと歴史研究としての違いなのかと思います。

 

追記

 かつては世界史選択だったので、漢字が多い日本史の話は大変でした。